2017年4月3日に国立社会保障・人口問題研究所(厚生労働省管轄)が発表した生涯未婚率は2015年時点「男性が23.4%、女性が14.1%が生涯未婚である」との驚愕のデータでした。
このデータは婚活業界だけではなく、テレビ、新聞、各ニュースサイト、SNSでも大きくとりあげられ非常に話題となりました。詳細はこちらの記事「「生涯未婚率」急上昇!婚活専門家が提唱する更に深刻な3つのこと」で紹介しておりますが、今回改めてこの数値で急上昇してる状況や生涯未婚率が男女でズレている要因について調べてみました。
合わせて男性は生涯独身であることのデメリットもありましたのでこちらもご紹介しております。ぜひ最後までご覧になってください。
生涯未婚率は急上昇中
まず今回発表された生涯未婚率が衝撃的だったことは、数値が急上昇している、ということです。2010年度の生涯未婚率データでは男性20.1%、女性が10.6%だったので、僅か5年で男女とも3%も上昇したことになります。
- 出典:内閣府男女共同参画局 生涯未婚率の推移(男女別) より
生涯未婚率の5年前比較
生涯未婚率 | 男性 | 女性 |
2015年発表 (2010年データ) |
20.1% | 10.6% |
2017年発表 (2015年データ) |
23.6% | 14.1% |
前回との差異 | +3.5% | +3.5% |
参考「生涯未婚率」急上昇!婚活専門家が提唱する更に深刻な3つのこと
まだ現在の生涯未婚率問題の渦中になっている30代〜50代が生まれた1960〜80年頃から比較すると男性で約10倍、女性で3倍近くまで上昇しております。当時は男性の生涯未婚率は2〜3程度、女性で5%程度だったので、その頃と比較すると別の国のデータ如く大きく変化を遂げております。
そして、もう一つ注目を浴びたのが男女で生涯未婚率が10%近く差があるという点です。
生涯未婚率が男女で差があるのは?
生涯未婚率が男女で10%も差があるのはなぜなのでしょうか。大きな要因は「男性の方が再婚が多い」という理由です。
婚姻件数は直近で大幅に減り、2015年で64万組となっておりますが、再婚件数は17万件それほど減少しておりません。婚姻件数に占める再婚件数の割合(26.8%)が上がってきております。
再婚の場合夫婦どちらかが再婚で初婚なのか調査したデータもあります。
「夫再婚―妻初婚」は6万3588組、「夫妻とも再婚」 は6万1325組、「夫初婚―妻再婚」は4万5268組となっております。生涯未婚率の男女のずれに影響してくる「夫再婚ー妻初婚」の方が「夫初婚―妻再婚」より1万8320組多くなっております。
男性の方が再婚が多くなり、その代わりに一度も結婚できない男性が増えるため生涯未婚率が男性の方が高くなってきます。
とはいえ、これだけでは男女での10%のずれの説明でには不十分です。
もう一つは男女の人口の差もあると考えられます。
日本の総人口で比較すると女性の方が400万人程多いのですが、50歳以下で比較すると男性の方が人口が多いのです。20歳から50歳の間をとっても各年齢とも2%〜5%程男性の方が多くなっております。平均寿命の関係もあり60歳以上は急激に女性の方が多くなり65歳以降は女性の人口の方が2割も多くなってきます。
- 総務省統計局より出典:日本の人口ピラミッド
日本を人口ピラミッドを見ると50代までは男性の方が多いのですが、60代から急激に女性が増えているのわかります。
男性の再婚率の多さと人口の男女比で50歳以下は男性の方が多いため、結婚できない男性(結婚しない男性)が多くなり生涯未婚率では男性が大きく上回っている結果になったと考えられます。
男性が生涯独身のデメリット
こういったニュースが出ると「そもそも結婚する気ないし」「結婚しないほうが気楽」「結婚すると金がかかる」「独身の方が絶対幸せ」といった意見も出てきますが、本当に独身の方が幸せなのでしょうか。
実は幸福度が低い未婚男性
以前ご紹介しましたが、教育統計学者の舞田敏彦氏が「世界価値観調査(World Values Survey)」の調査結果を元に既婚・未婚男性の「幸福度」についての調査結果をブログで書いております。
その調査結果というのは30代~50代の日本人男性を既婚者と未婚者に分け、「あなたはどれくらい幸福ですか」と質問したところ、未婚男性の43.5%が「全く幸福でない」と回答したとのこと。それに対して既婚男性で「全く幸福でない」はわずか6.5%だったようです。
舞田敏彦氏はその理由をこう述べております。
家事力のない独身男性は生活が荒む,情緒安定の場を得られないなど,いろいろな事情が考えられますが,男女の役割差が大きい日本では,それがとくに顕著ということなのでしょうね。わが国の男性がいかに「家族」に依存しているか,いかに「弱い」存在であるかの証左ともいえましょう。
結婚しない男性が増えておりますが、男性は自分が思っているほど強くないのです。今は結婚しなくても良いかもしれませんが、年齢を重ねていくうちに独身男性は生活が荒れ、心の安定の場を失い不幸になっていく人が多いのです。
- 出典:Newsweek日本版『未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会』より
世界的に見ても日本の独身男性の『幸福ではない』回答はと突出しております。
未婚者男性は早死リスクもある
また同時に未婚者男性は早死リスクも抱えることになります。
統計学者の本川裕氏が厚生労働省の人口動態統計を元に未婚者と既婚者の死亡率を算出したところ、45歳~65歳の未婚男性は同世代の既婚男性の2.2倍になっていたと発表しております。
その他にも順天堂大学の池田愛准教授と大阪大学の磯博康教授は40歳~79歳までの男女約10万人の婚姻と死亡の状態を10年間に渡って追跡調査をしその結果、未婚男性が心筋梗塞で死亡が既婚男性の3.5倍にもなる、という研究結果を発表しております。
別の調査では独身男性は心臓発作による死亡が2.2倍、呼吸器感系疾患による死亡は2.4倍、自殺を含む外因死が2.2倍との恐ろしい結果も出ております。
この数字は未婚男性が既婚男性に比べて健康状態になんらか問題を抱えやすいのか、を表していると考えられます。
そして未婚男性は自殺率も高いというデータもあります。自殺予防総合対策センターの統計では、未婚者の自殺率は既婚者と比べ45~55歳で2.1倍、55~64歳で2.4倍にも上昇します。未婚男性のメンタルの弱さから不幸感を強く感じ、結果として自殺率も高いのではないかと考えられます。
まとめ
生涯未婚率が急上昇している2つの要因と男性が生涯独身のデメリットについてご紹介いたしました。
近年は生き方が多様化し、結婚しない人生を選ぶ人も増えてきおります。その事自体は生き方の問題なので他人がとやかく言うことではありませんが、こと男性に限っては「楽だから」「結婚は自由がなくなる」「結婚すると金かかる」といった理由で結婚しない選択をしたにもかかわらず、結果として結婚してない男性の多くが不幸になっているのは事実なのです。
また結婚は、時期が遅れるほうが選択肢が狭くなっていきます。「今は結婚する気無いけど10年後はするかも」だと10年後にはもう理想の相手との結婚は手遅れになってしまう可能の高いのです。
少しでも結婚する可能性があるなら、ちょっとずつでも婚活を初めてみる方が良いのです。婚活した結果「結婚は向いてない」という結論になったら致し方ありませんが、思い切って出会いの場に出てみたら、意外なところで理想の人との出会いがあるかもしれませんよ。結果幸せな結婚に繋がる可能性だってあるのです。